ミッドナイト・クー_01


まるはし150


ミッドナイト・クー_02

共謀者達はワシを恐れて殺すことができなかった。当然だ。ワシは愛されし国民の父。この名誉ある群衆が私の死で苦しむことはない。故にワシの判決は追放だ。
陰謀者達は夜遅くにやって来た。宴会が開かれているワシの宮廷に忍び込んだ。ガウル自信がクーデターを率い、その直属のレッドリージョンにワシらは囚われた。
副総督が満面の笑みで宮廷に入ってきた時、ワシは相当に驚いた、あやつは私の顔に唾を吐きかけ、下品な喜びを味わっていた。ワシらは夜の闇の中、リヴァイアサンへと連行された。
処刑は行われたなかった。ガウルと副総督は群衆を恐れたのが。自分達が権力を掌握しきれていないことを、群衆がワシという皇帝をどれだけ敬愛しているかを知っていたのだ。
ガウルは私からずっと目を逸らしていた。あの顔に浮かぶあの感情は何だったのだ?恥か?父親同然の存在に対して、どうやってあれほどの憎悪を抱けるのだ?
ワシらはリヴァイアサンの中に閉じ込められ、宇宙の果てへと放たれた。遙か昔、私が副総督に与えたのと同じ運命だ。死ぬまで宇宙を彷徨うという運命だ。