ラルのグリーブ_01


まるはし150


ラルのグリーブ_02

「バルス・ノールは数千人の軍を引き連れて我々の首都を行進した。何週間もめった打ちにしてやったが、バルスに... 彼女に粉砕された」――ラル・カガクリプス・ガン
彼は流刑されたカルス皇帝の昔の親友、イスカールの屋敷に到着した。番兵に立ち入りの許可をもらうのは驚くほど簡単だった。カバルは彼の贈り物のワインによっぽど目がないようだ。それに、あの日は式典が開かれる日でもあった。そもそもこの番兵達も、既に祝いの酒を始めていたかもしれない。
中に入ると、標的を確認できた。ラルは時間を無駄にすることなく、棒の鞘を外して槍の先端を晒した。護衛が次々と刺されていく中、イスカールは腰を抜かして尻餅をつき、そのまま這って逃げようとした。ラルはワインの樽を掴み、恐怖で篩えているこの老人に叩き付けた。
ワインがイスカールの喉に流れ込む。イスカールは咳き込んで吐き出し、手をバタバタさせた。ラルは約束通りにメッセージを伝えた。
「カルス皇帝はお前のことを忘れていない。」
ラルはイスカールの手足が動かなくなるまでワインを注ぎ続けた。
ラルはカバル後をワインのせいで、ネバネバとした黒色と紫色に染まっていた。彼はイスカールの体を床に落とした。その瞬間、執行司祭のモーリが中庭に入ってきた。カバルの故郷で行われるこの盛大な式典。その式典の閉ざされた空間で、ラルの2番目の標的が護衛も付けずにノコノコ出てきた。ラルはこう思った。「これか?カルス皇帝が約束した戦士の楽園というのは」