時の回廊


Bungieが提唱する「あのときその場にいたからこそ(You Had To Be There)」の精神がBungieとコミュニティの溝を広げている。この言葉は影の砦のリリース前に公開された公式ブログ「3年目のDESTINY 2のシーズン」でのディレクター ルーク・スミス氏の言葉だ。これは影の砦からライブ感を出すためにDestinyの世界が常に変化していき時期によってプレイできるコンテンツや入手できる装備が変わっていくと言うものだ。この言葉通り影の砦からDestinyの世界は常に変化がありいくつかのコンテンツは既にプレイできなくなり入手できなくなった装備もある。

そして、コミュニティが5000ものパーツの謎を解きエキゾチッククエストを解放したことで間もなく「時の回廊」は封鎖されシックスフロントの戦いを描いた伝承「鳩と不死鳥」とセイント14のエンブレム「過去の救済者」が取得できなくなる。



日本語翻訳は「あのときその場にいたからこそ」とやんわりとした表現となっているが実際には「あなたはそこにいなければならなかった」ともう少しきつい言い回しだろう。実際に「そこにいなければ」入手できなかった装備が既に出てきてしまった。

例えば不死のシーズンパスの固有武器である高レートマシンガンの「時節」はもう入手できない。PvEの高難易度コンテンツにおいて高レートマシンガンは非常に汎用性が高く使い勝手が良い。最高峰武器である「デリリアム21%」ほど強くはないが唯一のボイド属性の高レートマシンガンである時節は持っていれば便利な武器だ。そしてこれに変わる武器は今のところない。

現在、サンダイアルには非常に優秀な武器がいくつかある。しかし、暁旦のシーズンが終わるとサンダイアルはプレイできなくなりサンダイアルの武器も入手できなくなるだろう。RedditユーザーのStewbeef12はこんな投稿をした。


新規プレイヤー「そのアーマーはどこで入手しましたか?」
既存プレイヤー「サンダイアル。しかし、もうプレイできない。」

新規プレイヤー「その武器はどこで入手しましたか?」
既存プレイヤー「ベックスの猛威。しかし、もうプレイできない。」


これに興奮するだろうか?「ささやき」は素晴らしいコンテンツだった。イオに突然出現した敵を倒すと謎のワープゾーンが現れ迷宮のような謎解きと戦闘のあるミッションが提供された。偶然オンラインだったプレイヤーたちはコミュニティで協力し謎を解き「虫の囁き」を入手した。「虫の囁き」は当時のメタ武器で新規プレイヤーもその武器をどこで入手したのか質問する。そしてベテランプレイヤーたちは「ささやき」を一緒にプレイし虫の囁き取得を手伝うのだ。

確かに「あのときその場にいたからこそ」ささやきの謎が解き明かされていく興奮を味わえるのだろう。しかし、ささやきは今も残っており新規プレイヤーが今プレイしても謎解き要素もあり充分楽しめるコンテンツだ。お節介なベテランプレイヤーは謎を全て語ってしまうかもしれない。また、思わせぶりなベテランプレイヤーもいるだろう。そうやってDestinyのコミュニティは大きくなっていったのだ。

ベックスの猛威で入手できる武器を後々新規プレイヤーにどこで入手したのか聞かれるかはともかくベックスの猛威はもうプレイできない。サンダイアルや時の回廊も同じ運命だ。Bungieは将来的に過去の報酬を入手する方法を提供するとは言っていたが今のところその方法は明らかにされていない。

最後の望み

技術的な面でDestinyを永遠に拡張することはできないことは理解できるし、世界が変化していくライブ感の演出も素晴らしいものだろう。Gladdのチームが夢見る都市の「最後の望み」のレースに勝利したことで夢見る都市の呪いが始まった演出は素晴らしいものだった。それこそ「あのときその場にいたからこそ」味わえた興奮があった。しかし、新規プレイヤーも夢見る都市を解放するといまだにこの演出を見ることができる。そしてベテランプレイヤーはその当時の様子を語るのだ。

確かに、タワーのど真ん中にオベリスクをいつまでも置かれていても困るのだが、コンテンツが刻々と消えて行く今のDestinyの1年後は何も残らないだろう。


記事:稲森