
〈1〉
先日、App Store、Google Playにて配信されていたスマホ版「フォートナイト」が両ストアのガイドラインに違反したとして削除された。
ガイドライン違反となったのは、両ストアの手数料を回避するため、Epic Gamesが先日導入したゲーム内課金システム「Epic ディレクトペイメント」だ。
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— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
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App Store、Google Playでゲーム内アイテムが購入された場合、その売上の30%は手数料としてApp Store、Google Playに徴収されていたが、「Epic ディレクトペイメント」はそもそもApp Store、Google Playを介さないため、サービス手数料が発生することはなく、その分(最大20%)をユーザーに還元できるのだ。
しかし、App Store、Google Playはストアを介さないゲーム内課金を認めていないため、「Epic ディレクトペイメント」がガイドラインに違反しているとし、ストアから「フォートナイト」を削除した。
これに対し、Epic Gamesはパロディ動画の公開や「#FreeFortnite」というハッシュタグの拡散に加え、独占禁止法違反であるとしてAppleとGoogleを提訴した。
Epic GamesはApp Storeの独占に異議を唱えました。報復として、Appleは10億のデバイスでFortniteをブロックしています。https://t.co/VwLAHlzLap へアクセスし、2020年を「1984」にしないための闘いに参加してください。 pic.twitter.com/LSKyXiXQVA
— フォートナイト (@FortniteJP) August 13, 2020
Epic Gamesのこの一連の行為に対し、Appleとの手数料支払をめぐって因縁のあるSpotifyがEpicを支持する声明を発表したほか、FacebookもAppleのサービス手数料について不満をあらわにした。
一方、ネット上ではEpic Gamesのこの一連の行為について、「Appleの30%の手数料は高すぎる」といった声が上がっている一方、「規約違反をしている方が悪い」といった声も一定数上がっており、Epic Games支持者とApple、Google支持者との間で論争が起こっている。
〈2〉
では、Epic Gamesのこの一連の行為について賛否両論あるなか、なぜEpic Gamesが悪いといえるのか。
それは、Epic Gamesはスマホ版「フォートナイト」をApp Store、Google Playで配信しているからである。
App Store、Google Playで配信しているということは、逆にいえば配信させてもらっているということであり、配信させてもらっている以上、そのストアのガイドラインを順守するのは当然であるからだ。
また、ゲームを販売する以上、利益やユーザーの獲得は必須であり、その為にも大きなゲームプラットフォームで販売しようとするのは当然である。
しかし、Epic Gamesのこの一連の行為は、利益とユーザーを獲得するだけ獲得し、時期が来たから離れたといったようにしか捉えられない。
さらに、この騒動にユーザーを巻き込んだというのも批判されるべき点だろう。
案の定、これまでスマホ版「フォートナイト」を遊んできたユーザーのほとんどは、Epic Gamesのこの一連の行為を支持し、AppleやGoogleをのきなみ批判している。
以上のことから、批判されるべきはEpic Gamesであると私は考えるわけだが、もちろんAppleやGoogleにも批判されるべき点はある。それが、サービス手数料だ。
ただ、問題となっている30%の手数料は、PCゲームプラットフォームであるSteamはもちろん、コンソールゲームプラットフォームであるPSストアやニンテンドーeショップでも採用されており、この30%という割合は一般的かつ標準なものであるともいえる。
しかし、昨今ではゲームプラットフォームの多様化が進んでおり、その一方でゲーム開発資金の高騰が問題になっている。
だからこそ、いつまでもその当たり前を貫き通すのではなく、時代にあった徴収体型に変えていくべきではないだろうか。
〈3〉
このサービス手数料をめぐる争いは、SpotifyやFacebookの参戦、そしてユーザー間での論争の勃発によって、良くも悪くも事が大きくなってしまったわけだが、今後この争いがどのような方向に進んでいくのか。
そして、昨今激しさを増す米中対立によって、中国の大手IT企業であるテンセントを親会社とするEpic Gamesはどのような影響を受けるのか。
今後の行方に注目が集まる。
以上ノシ
記事:モアイ
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コメント
コメント一覧 (12)
同じ30%の手数料?なのにCS陣営とは折り合いがついたのに、なぜモバイル陣営とは破談・削除・提訴になってしまったのか....
まるはし
が
しました
まるはし
が
しました
あと最近のGoogle Playストアからのリリースといい、削除後のパロディ動画投稿からの訴訟までが早すぎるからきっと、Appleを標的にしてファンを誤解させて味方につけるまで全て計算して行動してたんだろうな...なんかEpic見損なった...
独禁法とか言ってるけど今のストアが気に入らないなら普通にEpicがスマホからストアまで作ればいいのに
まるはし
が
しました
業界の為、ユーザーの為と言いながらbanされたら即反論動画出したり用意周到な癖に何言ってんだ
ユーザーの為と少しでも思ってんのならbanされるような事をいきなりやるな、何も知らずフォトナ遊んでた子供やプレイヤー置き去りでプレイ出来なくさせたのはエピの行動そのものだろうが
まるはし
が
しました
契約した後にゴネて暴れて有利な条件を取ろうとするのは卑怯な行為だと思う
こういう脅しに屈するといずれ、庇を貸して母屋を取られる事になるだろうな
まるはし
が
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appleは昔から殿様商売で業界的には嫌いな人も多いんよ
appleは会社としては嫌い。でも作る商品は好き
まあ、epicのやろうとしていることはわからんでもないよ
日本で言うとこのsoftbankだな。嫌いだけど
まるはし
が
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